眠れないほどの辛さになる前に
- 2020年11月02日
- 「すっかりご無沙汰してしまいましたが先生お元気でしたか?」そう言って、約2年ぶりに40代のOさんが来院されました。「ずっと前から来たい来たいと思っていたのですが、新型コロナウイルスの事等を考えるとどんどん先延ばしになってしまって。でも最近になってどうにも我慢できないくらいに頸から肩と肩甲骨周囲の痛みが強くなったので来ました」とOさん。症状の辛さについて詳しくお聞きすると、Oさんは次のように話してくれました。「コロナの影響でデスクワークの仕事が家でのテレワークに変わって以来、仕事に少し不向きな机に置いたパソコンとにらめっこする毎日が続いています。長時間前屈みになって画面を見続けているうちにいつしか背筋をぴんと伸ばせず、背中が縮こまったままの状態になってしまっていることに気付きました。背中だけではなくて頸や肩の凝りもひどくなってしまって、自分で気になる箇所を動かそうにも全体ががちっとした、ある意味鉄板のような感じでストレッチさえもできなくなっていました。ここ2、3日は、夜横になっても凝りが気になって時々目が冷めたり深呼吸もできない状態が続いていました」訴えのあった箇所を診察すると、頸から肩・肩甲骨周囲が一つの大きな塊のようにがちっとした緊張を起こしていて、辛さが手にとるように感じられました。そこでまずは俯せになっていただき、頸・肩・背中の筋張りのように固くなってしまった部位に対してじっくりと鍼治療を行いました。「鍼を1本1本打たれる度にすべての箇所で効いている気がします。痛気持ち良いです」とOさんは、鍼治療に対する印象を伝えてくれました。鍼を打った筋肉が解れたと思いつつその部位から少し手を動かすと、再び別の固い筋肉に指先が当たる、そしてその触れた筋肉に対して鍼を打つ。これを繰り返した結果、鍼治療だけでもだいぶ柔らかくすることができました。その後は、鍼治療を行った箇所に重点を置きながら全身をくまなくマッサージしました。鍼治療の際には気付かなかった体表に近い細かい凝りを解していると、筋肉の緊張が取れたためか、それまでびくともしなかった肩甲骨が上下・左右へと動くようになりました。施術を終えるとOさんは、「呼吸がしやすくなったし頸も腕も大きく回せるようになりました。それに何といっても背筋が正常な状態でぴんと伸ばせるようになりました。頸や肩の感覚も治療を受ける前はどこが痛いのかもよく分かりませんでしたがやっぱり解してもらうと全然違うんですね。本当に助かりました。ありがとうございました」とうれしそうに帰っていきました。これで暫くは、体へのストレスを感じること無く快適な毎日を過ごせるはずです。ただ一つ治療の最後に、「一旦体をしっかり解すと今度は時間と共に少しずつ凝ってくるのが自分でも分かります。そう感じたらなるべく早めに来院してくださいね。眠れないほどの辛さにならずにすみますよ」と付け加えさせていただきました。
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留守電へ「お名前・電話番号」をご伝言ください。折り返し連絡いたします。
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