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「知人に紹介されました」
そう言って来院されたのは、自宅でピアノ教室を開きながら自身も演奏活動を行っている30代のKさんです。

「昨年娘を出産した後くらいから少しずつ背中に痛みやぴりぴりとしたしびれを感じ始めました。
しばらく整形外科に通い薬や電気を当てるなどして様子をみていたのですが、なかなか改善されませんでした。
それが2ヶ月ほど前に子どもを抱っこ紐で抱っこしながらのピアノ練習をきっかけに症状が急激に悪化し、最近はそれに加えて頭痛や吐き気を感じることもあり、夜も眠れない状態になってしまいました」

Kさんの訴えは切実で、「何とかしてほしい」という辛さがひしひしと伝わってきました。
体を診察していると、「大学生の頃から肩こりはあります。実はその時に初めて鍼治療を受けたのですが、すごく効果を感じました」とKさんが話してくれました。
その言葉を受け、頚も含め肩から背中の広範囲が板のように硬くなっているのが分かったので、早速うつ伏せになっていただき、鍼治療を開始しました。
「それそれ、そこが痛くて」とおっしゃった背骨の際や頭痛改善の目的で後頭部付け根の部、そして仕事からもきていると思われる肩の硬い箇所に対してもじっくりと時間をかけ鍼治療を行いました。
そしてその後は鍼治療部に重点をおきながら、上半身全体へのマッサージをさせていただきました。
施術を終えるとKさんは、「視界がすごく明るくなり、肩や背中がほぐれてすっきりしました」と満足した様子で帰られました。

それから2週間ほどしてから、Kさんよりメールが届きました。
「先日は鍼、ありがとうございました。その後とても調子が良く、日常の生活も元気に過ごせています。今後も月1ペースで鍼とマッサージを受けていきたいと思っています」と書かれていました。

2度目の来院時に改めて初回の施術後の様子を伺うと、「おかげさまで頭痛や吐き気と共に一番辛かった背中のしびれもほとんど感じなくなりました。何といっても、背中周囲が自由に動かせるようになったのが一番うれしいです」とのこと。
その日も、初回と同様の形で施術を行いましたが、一度の治療で背中の硬さが取れているのは、本当に驚きでした。

「これからはたとえ体が辛くなっても、こうやって鍼とマッサージでほぐせば楽になるのだと実感してからは、なんだか心もすっと軽くなった気がします」
そのようなKさんの言葉に、改めて鍼治療とマッサージが体だけでなく心の健康にもつながっていることを知り、その日も私が納得できる施術を提供することができました。