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手足の筋肉を解すことで改善する関節痛
2025年7月28日
ここのところ急に、60代の患者数が増えています。
しかも私自身も少し驚いているのですが、いわゆる肩や腰といった鍼灸院ならではの症状ではなく、手や足そのものあるいは、それらの部の関節痛や不具合で来られる方が多くなっています。
そのような方々への施術をさせていただきながら、気づいたことがあります。それは、「人は60歳を過ぎると体のどこかの関節に、1種の老化現象として痛みやゆがみが生じてくるのかもしれない」ということです。
実際に毎日の生活の中で困っている具体的な悩みを伺うと、次のような答が返ってきました。
「親指が痛くてペットボトルの蓋が開けられない」、「肘が痛くて文字をしっかり書くことができない」、「膝が痛くて階段を降りることができない」、「足が痛くて歩くことができない」。そして終いには、「自分でも手や足のどこが痛いのか分からなくなってしまいました」とおっしゃる方も少なくありません。
基本的に私はそのような方々に対して、まずはどこが痛みの元であるのかを見きわめる目的もかねて、訴えのあった箇所に重点を置きながら、手あるいは足全体に対しじっくりマッサージをさせていただいています。すると、来られた方もびっくりするくらいに手足全体の筋肉がばきばきに硬くなっていることに気づきます。
以前にも書きましたが、凝るのは何も肩や頚/腰だけではありません。手足にも歩いたり細かい作業を円滑にするための筋肉がたくさん着いています。そしてそれらの筋肉の端は、かならず肘や手首/膝や足首などといった関節に固定されています。もちろん年齢と共に関節そのものに変形を生じてしまうのはしかたありません。しかしその関節にくっついている部を中心に、硬かったり痛みを起こしている手足の筋肉をゆっくり解すことで、痛み/動かしにくさ/凝りといった症状がかなりの割合で改善されていきます。
なおマッサージだけでは取り切れない手足の奥に凝りがある場合には、鍼治療を追加することで治療効果が持続し、症状を根本的に改善できます。
治療を行った方々からは、以下のようなうれしい感想をいただいています。
「足が軽くなり体重を乗せても痛くなくなった」、「縮こまっていた足が伸びた」、「肘から先が暖かくなった」、「手首周囲の浮腫が取れた」、「親指が回しやすくなった」。 現在も手足の痛みに悩み、病院に通っているのになかなか症状が改善されないという方もいると思います。きっとご自身が気づいていないだけで、思いの他、手足全体の筋肉が凝ってしまっている可能性があります。「手足を緩めれば楽になるのだ」という感覚は、やはり鍼治療やマッサージを受けられた方々にしか実感していただけないことだと思います。